徒然草

紫野は人間味のあるアーティストになりたい

2021.12.18

おはこんばんにちは。

紫野です。

 

1日すぎてしまいましたが、

1年前を振り返りました。

 

去年の今日は、

紫野としてこの活動を本格化させたきっかけとなった、1stワンマンライブ「はじめの1歩」が、見事に成功した日です。

 

思えば、右も左も分からないまま、

第2次緊急事態宣言の真っ只中に独り、

接続の仕方も分からない機材を持って新宿に来ました。

カメラマンさんが居合わせなかったら生歌で歌うところでした。

 

1番初めにチケットを買ってくれたおじさんのことを、今でも鮮明に覚えているのです。

私の大好きなリトグリのリクエストをしてくれました。

 

当時の私は、今もではありますが、

歌もギターも死ぬほど下手で、

でもどこかに、根拠の無い自信がありました。

 

結果は伴わないのに、自信だけがありました。

1枚目が売れるまでに1ヶ月半を要した癖に、

私ならいける、と思っていました。

 

バキバキに心が砕けた日ももちろんあります。

3日間、文字通り食事や睡眠が出来ない時もありました。

振り切ったら、何かが変わったあの感触も覚えています。

色んなところに行きました。

都内山手線一周、横浜、千葉柏、埼玉など、

行けるところ全てに行きました。

チケットは買えないけど頑張ってと言って、

1000円札を入れてくれる皆さんのおかげで、

定期を作り、

新宿以降の駅までの交通費にさせて頂いたり、

ワンマンに備えてなけなしの貯金と一緒にギターを新しくしたり、

帰りに300円だけ使って食べるコンビニのおにぎりとお味噌汁が買えた日々でした。

どんなに美味しいレストランのご飯より、

体に染みる味でした。

誰もいない駐車場の縁石に座って食べるのが日課でした。

帰り道に、オリオン座がいつも見えました。

 

チケット100枚が完売したのは、当日12/18の朝。

DMを頂いて完売がわかった時、

嬉しくて泣きました。

前日の夜も路上ライブに出ていた気がします。

あと3.4枚だからと、

セットリストも決めず、

色んな人に心配される中でやった思い出があります。

今よりも女っ気がなく、

今よりも余裕がありませんでした。

 

あの頃にあった根拠の無い自信とか、

私を突き動かしてくれた動機とか、

泣き明かした朝でも起きられた理由とか、

そういうものが何かなって考えたところで、

1年しか経ってないからなのか、

いくら待っても答えが出ないものだからか、

結局のところ何も分かりません。

 

私が1年前と比べて何が変わったかなって、

もしくは、

変わらずに持っていられているものって何かなって、

日々、考える。

 

聞く音楽が変わり、

感動させられる言葉が変わり、

ギターの弾き方が変わり、

紡ぐ想いが変わりました。

見える景色に対して持つ感想が変わったし、

一匹狼を卒業した気もします。

気も強くなったし、

メンタルも強くなったし、

朝の迎え方が変わりました。

 

色んな人の歌や音楽や、スタイルとかそういうものを今までよりも勉強・分析するようになってからは、

自分に足りないものとか、

欲しいものとか、

羨ましいと思うものが増えました。

自分と誰かを比較して勝手に傷つくことも増えました。

 

私が誰にも負けないものって、何だろう。

そんなものが私にあるのかな。

 

アーティストさんとも、

当たり前ですがファンの方とも、

人との繋がりをさらに大切にするようになりました。

だからこそ、見えなくなったものもあります。

 

嫌な気持ちにさせられたアーティストとの関係もありました。

怖くなってしまったファンの人もいる。

根拠の無い自信は消えました。

 

 

でもね、それだけじゃないんですよね。

 

ライブやるよって言ったら、

予定を空けて、交通費とチケット代と、高すぎるドリンク代をかけて来てくれる人がいます。

路上やるよって言ったら都内からはもちろん、県外から電車やバイクで見に来てくれる人がいます。

私を撮影して下さるつもりで重いカメラを背負って持ってきてくれる人もいます。

助けて、と声を上げたら、

仕事終わりや貴重なお休みの日をまる1日、

私のために使ってくれる方がいるんです。

どれだけ遅れても、新宿に私が戻ってくると待っていてくれる人がいます。

 

「あなたは、私はひとりじゃない」

なんて言葉は綺麗事だと思っていた。

でも今の私は、「あなた」という要素がなければ成り立たない。

私の歌は、受け取ってくれる誰かがいないと、

宛先不明として私のところに差し戻される名前も無い手紙で終わってしまうのです。

気持ちよく歌えたらとか、

沢山人を留められたらとか、

その日のあがりが多かったらとか、

そんなもので私を満たすことはできなくなったんです。

 

1年前は、自分の夢に近づけている気がして、

毎日が大きな進歩で、

好きなことに没頭できることが幸せでした。

 

今は、

自分の周りにたくさんの人がいてくれることがすごく幸せで、

あまり好きな言い方では無いけれど、

「誰かのために」歌うことが出来る日々が、

とても大切です。

私の歌が好きだって言ってくれた人がこんなにも増えたこと、本当に嬉しく思います。

バズったりしないし、

ルックスも普通だし、

秀でたものは何もないけど、

でもこれでもいいんじゃないかと思う。

もちろん、もっと大きな舞台に立ちたいし、

連れていきたいし、

連れて行って欲しいとも思います。

でも、慎ましい幸せが今の私にはあります。

 

次のワンマンが終わる頃には、

私が走ってきた1年間に対する答えが出ていると思う。

数字だったり、

ご来場くださる皆さんの満足度だったり、

なにか形として皆さんに受け取って頂けるものだったり、

それが「何」かはわからないし、

実現できるかどうかもわからないし、

多分ひとつに収まるものでもないんだと思うけれど、

また「はじまり」にTRAVELできるんじゃないかなって、そう思います。

 

TRAVELは、ライブハウスの内見に伺った時、

その場で紙チケットを発行してくださるとのことで、頭にポンと浮かんだものをそのまま付けたライブタイトルです。

 

キリのいい3/31という日付ですし、

来たる「明日」が、

「春」が、

また「はじまり」にTRAVELする貴方が、

少しでも凛として立っていてくれたら、

ライブは成功になるかな。

 

寒い冬を乗り越えて、

私は必ず遅咲きします。

 

 

また次回。