徒然草

紫野は人間味のあるアーティストになりたい

Shape

おはこんばんにちは。
紫野です。
しばらく忙殺されておりました、お久しぶりです。
覚えてくれている人はどれだけいるでしょうか(笑)。

昨日、ランチを食べに外に出たとき、口直しに甘いものでもと思って入ったコンビニでぼんやりアイスを眺めていたら、
急に思い浮かんだことがあって、ブログにしようと思いました。

今回のテーマは、「Shape(形)」ということで徒然草を久々に更新します。
最近、文量のありすぎるブログを卒業しつつあるので嬉しいです。

それで、本題。
何も考えずにコンビニをぶらぶらしていただけなのに、ふと私の脳裏によぎったことが一体何だったのか、というとですね、
路上ライブってやってる人みんなすごくね?という、これだけでは正直「ちょっとなにいってるかわかんない」ことです。

私は今、ストリートライブをエレクトリック・アコースティック・ギター、いわゆるエレアコっていうギター1本のスタイルでやってます。
実は、5年間ピアノを習っていて、よほどのものでなければピアノもある程度できます。
それで、私はオケを使った路上ライブよりも、自分と同じように自ら楽器を弾いて歌っている人の方が好きでした。
「闘っている」感じがして好きでした。
私が歩みよっていきたいと思う音楽の世界での同僚の皆さんも、そのほとんどがギターを弾く人です。
それで、なんというか、語弊を恐れずに書き上げると、カラオケ音源で路上ライブをしている人があんまり好きじゃなかった時期がありました。
今は、というかその考えは早々に打ち消されて、いろんなアーティストさんに対してリスペクトを持って、路上ライブを見れるようになったと思います。

でも、私を慕ってくれていたある男の子が、「俺、オケで歌ってる人嫌いっす。やっぱ路上はギターでしょ」って、言ってきたことがあって、
一昔前の自分なら「だよなぁ」って言っていたと思うけれど、
今になって見ると、そんなことないよって言える気がして。
でも、どうして「そんなことないよ」って言えるのか、その理由まではその時分からなかず仕舞いだったんです。

昨日、その理由が分かりました。

彼らが、私たちにできないことをしているからでした。

私は、カラオケ音源で歌うのがすごく苦手です。

自由にやりたいし、キーも変えたいし、間の取り方もその時の気分にしたいし、コードも自分用に変えたかったり、勝手に繰り返してアレンジして、勝手に尺を変えたいのです。
だから、決して自分のために留まってくれないカラオケ音源に、決められた時間の中で、
曲やお客さんに対する想いとか、
そういうものを乗せられる人がどれだけすごいのかということに気が付きました。
しかも私は打ち込みとかもできないし、機械音痴だから、PCで編曲していたり自分で曲を作っていたりする人たちって本当にすごいと思う。
私にはできないことを彼らはしているのだから。

それに私は1人で戦っているから、複数人で歌っている人たちにしか感じられない楽しさがそこにはあると思うんよな。
1人じゃいくら得意でも好きだとしても、ハモることもできない。
1人で戦うことは、歌うことは、
意外と寂しかったりするものなんです。
誰も自分を励ますことができないし、
自分でもやるせない時があるから。

同じ夢に向かって、同じ目標に向かって、
同じ到達点を見据えて支え合える仲間がいること、心からうらやましく思います。
同じ熱量で、同じことに向かっていける人って、いくら探したって早々見つからないものなの。
私は1人で戦うだけの強さを手に入れたけれど、彼らは強さにプラスして、支え合い、鼓舞しあえる関係と、それができるたての奇跡みたいな出会いに恵まれた人なの。

私が弾いている曲を、彼らはギターやピアノで弾くことはできないかもしれないけれど、
私には生み出せない音を彼らは奏でることができる。

言語化できるようになったのは昨日、
というあまりにも遅すぎる答え合わせだったけれど、
路上ライブをちゃんと見てたら、
「この人たちすごい」
って思える人がたくさんいる。
自分と違う戦い方で、でも同じように目指していることがあるんだってわかるようになるのです。
あの日、私に「オケでやってる路上ライブが好きじゃない」と言ってきてくれた彼も、
もう少し時間が経って、
同じような思考になるかもしれません。

私は遅かったけれど気が付けてよかった。
だからこそ、今は多くのアーティストさんに壁を張らずに歩み寄っていけるのです。

大道芸の方が、
「やってることは違うけれど、僕らはみんな仲間だから、皆で大きくなっていくと思ってる」という話をしてくれたことがあって、
それが今になって腑に落ちている気がします。

音楽には、「形」がないけれど、
でも、いろんな「形」で私たちは音を成して、言葉や想いを伝えているんですね。

さぁ、明日もがんばりましょう。
読んでくれてありがとう。

また次回。

紫野